こころにかえる

身の回りで起こった日々感じたこと気づきなどを徒然なるままに

言葉が持つ影響力

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私は厳格なことでとても有名な女子校に通っていました。

現在はどうなのか分かりませんが、私が通っていた頃は

週末でも外出する際は制服着用が義務付けられている程の

徹底ぶりでした。

他にも今では考えられないくらい厳しく珍しい校則が

沢山ありました。

 

そんな学校で、ある試験期間の最中のこと。

珍しくお昼前に試験が終わったので、解放感から帰りの

ホームルームの存在をすっかり忘れた私は親友と一緒に

市内の図書館に直行したのでした。

普段なら学校から家へ直行で帰らなといけないのに

テスト期間中は図書館で勉強するという大義名分ができて

堂々と遅く帰れるわけです。

 

久々に親友とランチをしてその後は普通に図書館で勉強して

帰ったわけですが、翌日学校に着くなり私は親友と2人で

校長室に呼び出されたのでした。

 

ホームルームに出席せずに帰ったことに対して

散々お説教され、もちろん私達に非があるわけだし

懺悔室での反省は避けられません。

とにかくこの場はひたすら謝って終わらせようと

思っていたその時、先生から耳を疑う言葉を言われたのです。

 

いきなり私の方を向くと

 

「どうせ、あなたがたぶらかしたんでしょう?」

 

私の親友は学年でトップ5に入るほど成績がよく

それに比べて私は平凡な普通クラス。

でもこれまで学校で問題を起こしたことなんて一度も無いし

「誑かす」なんて言葉を人から言われたのは

後にも先にもこの時だけです。

それなのに、今まで一度も話したことも無い先生から

決めつけでそんなことを言われた事がショックで

当時の私は酷く傷つきました。

 

実際は親友と二人で決めて帰ったのだけど

もはやそんな言い訳をする気力も無く

それまでその先生に抱いていた大きな尊敬の念が

ガラガラと崩れるのを感じたのでした。

 

今でもその時のことを思い出すと溝落ちの辺りが

ズンと重くなるのを感じるほどに嫌な思い出として

残っています。

 

決め付けや思い込みで発した誰かの何気無い言葉が

人をこんなにも深く傷つけることが出来るんだと

言葉の持つパワーを身をもって学んだ私は

それ以来、人に対して何か言う時に必ずワンクッション

入れる癖がついてしまいました。

 

言葉の持つパワーというのは、誰かが何気なく発した

その一言で人を最高に幸せな気分にさせたり

または逆に殺人的な凶器にだってなりえるのです。

そしてその傷が致命的になるケースも沢山あります。

 

高校時代のこの嫌な思い出を思い出す度に

果たして今の自分は言葉を上手く使えているのだろうか?

感情的になってつい暴力的な言葉を使っていないだろうか?

と自分自身を振り返り見つめ直す良いきっかけにも

なっているのです。