こころにかえる

身の回りで起こった日々感じたこと気づきなどを徒然なるままに

愛する故郷とインナーチャイルド

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『ふるさとは 遠きにありて 思ふもの

そして悲しく うたふもの』

 

 

この詩は私が海外に住んでいる中で度々ホームシックに

かかるたび頭の中で何度も繰り返されていた詩です。

 

 

遠く異郷に住んでいる作者が懐かしく思い出される

自分の故郷を切なく愛しい思いで詠んでいる詩だと

長年ずっと思っていたのですが、実際はこの詩は

作者が遠方にあって故郷を思った詩ではないそうです。

上京した犀星が志を得ず、郷里金沢との間を往復していた

苦闘時代、帰郷した折に作った詩なのだそうです。

故郷は孤立無援の青年には懐かしく忘れがたいが、

それだけにそこが冷ややかである時は

胸にこたえて悲しいのです。

その愛憎の複雑な思いを感傷と反抗心をこめて

詠んでいるのです。

 

今まで自分流に解釈していた詩の意味も

また、室生犀星が表現したかった実際の意味も

どちらも非常に良く理解できるので

私の心にじんわりと染み渡るのでした。

 

長い間海外に住んでいると故郷の良い所ばかりが思い出され

それはそれで良い事なのですが、過剰に美化してしまう

ところもあります。

 

そして久々に里帰りした時には嬉しさのあまり

すっかり忘れていた別の感情、愛する場所に戻って来た

高揚した気持ちの中にも、実家を離れるまで存在していた

家族の中での悪しき習慣やカルマ、数々の辛い思い出もまた

一気にフラッシュバックされるので、嬉しい気持ちと

苦しい気持ちが入り混じった何とも言えない感情が

沸き起こります。

この家族間で蔓延っている悪しき習慣やカルマは

次の世代へ渡らないよう断ち切らないといけないと

実家に帰る度に痛感させられます。

 

そして里帰りを終え、再びカナダに戻る頃には

愛する故郷を離れるという寂しい気持ちの中にも

インナーチャイルドの原因となった数々の辛い思い出から

遠ざかれる安堵の気持ちもあり、いつも複雑な気持ちに

なりながら日本を後にするのでした。

 

それでも私が生まれ育った故郷は私にとって

愛してやまない街であることに変わりなく

若い頃には見えなかったこの街の美しさや優しさ

素朴さ素晴らしさにも、離れているからこそ

しみじみと気付かされるのです。

 

父が亡くなってから私がずっと考え続けてきたこと。

それは、一人ぼっちになってしまった母のそばに居て

出来る限りのサポートをしてあげたい

長い間、地元に暮らす妹に任せきりだったので

これからは私がバトンタッチする番だよと

ご先祖さまにそう言われてる気がするのです。

 

幸い、私の子供たちは成長し自立しているので

私が動き出すには今がベストタイミングなこと。

他にもいま帰るべき理由がすっかり整っていて

まるで天にお膳立てされているような気がします。

さすがにコロナが落ち着くまで行動には移せないけど

準備をするには最適な期間だと思ってます。

 

そして、もし私が再び地元に戻れるようになったら

少しでも地元のために貢献出来るように努力したい

私の愛する故郷を元気にするお手伝いがしたい

そしてそれは自分の中のインナーチャイルドを

癒すことにも繋がっているのだと感じるのです。